『Unfinity』ドラフト感想
はじめに
友人の厚意によりUnfinityドラフトを遊ばせてもらった。リミテッド用を謳っているだけあってどのカードも面白く、アンシリーズ特有のお遊び要素も相まって非常に盛り上がった。覚えている範囲で記録を残す。
参加人数は5人、総当たりのマッチ戦を行った。2組がマッチを行っている間余った1人は「ゲーム外の人物」としてテキスト処理のサポートをしていた。
ピック方針
前日にカードリストを一通り見た際に、カードごとの個性が強すぎる故に明確なアーキタイプを組むのが難しそうという感想を持ったので、単体のカードパワーを重視してドラフトを組む方針にした。
2色土地や色サポートがろくにないのでなるべく2色にするつもりだった。
Unfinity新規メカニズムのステッカーとアトラクションには注目していたが、これらを軸としたデッキを組むというよりは、いいところをつまみ食いするくらいの気持ちでいた。
ちなみに、デッキを回すまで「名前・ステッカー」と「アート・ステッカー」が異なる色に割り当てられたアーキタイプであることを知らなかった。
ピック
ピック譜が残っていないので覚えている限りの印象を書く。
1-1で《パークのメ~惑/Park Bleater》、1-3で《テレフォン/Phone a Friend》、1-4で《動く物体/Animate Object》を取ったあたりで白青にする心づもりだったが、返しで白があまり回ってこず、赤が残っていたので青赤に方針を変更した。
その後《舞姫ェ~/Baaallerina》や《非人間大砲/Non-Human Cannonball》あたりの単体で強いカードが安い巡目で取れたので、色の選択は誤っていなかったと思う。
ピックを終えてカードを並べたところ、青赤のみで組むと《大勝利者/Big Winner》などの弱いカードを多く入れることになってしまうことがわかり、最終的には青赤t白の3色で組むことにした。3色なのでカードパワーは高めだが、色サポートは《パークの地図/Park Map》だけと色事故の不安が残るデッキになった。
デッキ
クリーチャー 17
- コモン
- アンコモン
- レア
ソーサリー 2
- アンコモン
- ミシック
インスタント 2
- コモン
- アンコモン
エンチャント 2
- コモン
- アンコモン
アーティファクト 1
- コモン
土地 16
- 平地 *3
- 島 *7
- 山 *6
アトラクション 3
- コモン
- 衣装ショップ/Costume Shop *1
- ビーブルすくい/Pick-a-Beeble *1
- アンコモン
- スカベンジャーハント/Scavenger Hunt *1
ステッカー 3
「Sticky Kavu Daredevil」
「Demonic Tourist Laser」
「Jetpack Death Seltzer」
《パークの地図/Park Map》が土地カウントなので土地は実質17枚。
アトラクションを開くカードは《監視機監視者/Monitor Monitor》のみ。
公式によると青赤のアーキタイプは「アート・ステッカー」だが、白青のアーキタイプである「名前・ステッカー」の要素の方が多い。
対戦
あまり覚えていないのでこれも印象だけ。
1試合目 赤緑 2-0
《舞姫ェ~/Baaallerina》と《天使のハロルド/Angelic Harold》が止まらなくて勝ち。
《ウルザの秘宝館/Urza's Fun House》を起動されたときは正直焦った。
2試合目 白緑t黒 2-0
《動く物体/Animate Object》で生成した9/6トランプルが止まらなくて勝ち。
3試合目 白青 2-0
《非人間大砲/Non-Human Cannonball》と《天使のハロルド/Angelic Harold》でビートダウンして勝ち
4試合目 青黒 2-0
《非人間大砲/Non-Human Cannonball》と《ジャグルトロン/Juggletron》で殴り切って勝ち。
2ゲーム目はマナフラッドして手札が土地だけの時に《乗り物酔い/Motion Sickness》をトップデックしてギリギリ勝った。
対戦とデッキの感想
結果として1ゲームも落とさなかったがまあ運が良かったと思う。色サポートがほとんどない3色なのにマリガンと色事故が1回ずつしかなかった。
ふつうのエキスパンションセットの傾向だと、青赤はクリーチャーの質が低く、1ターンに2回ドローやらインスタント・ソーサリーやらのシナジーを使って戦うのだが、Unfinityは青赤のクリーチャーの質が環境の平均より高いように感じた。これについては活躍したカードの章で何枚か紹介する。
また、環境全体で除去の数が少なく、除去の質も高くないので高スタッツのクリーチャーや飛行クリーチャーが止まらない展開が多かった。ジョーク・セットでも結局高スタッツと飛行で殴った方が強いというのは少々面白みに欠けるように見えるが、高スタッツのクリーチャーを出す過程にジョーク・セットなりの演出があって楽しめた。
デッキを見ると分かるが、全体的にレアリティが高く、特にアンコモンのクリーチャーを多くとることができている。これは空いている色に参入できたことの結果であり、スタッツ勝ちできたことの要因でもある。
Unfinityの感想
新規メカニズムのステッカーとアトラクションはどちらも使用感が良かった。アトラクションはフォーゴトン・レルム探訪のダンジョンみたいなものなのでとっつきやすい。ステッカーは使い捨て前提なのだけ少し残念だった。
ドラフトにおいてはステッカーの方が強いメカニズムのように感じた。EtBでステッカーを貼るクリーチャーとアトラクションを開くクリーチャーがだいたい同じ数存在しているが、ステッカークリーチャーの方がアトラクションクリーチャーよりスタッツが高い。また、アトラクションは 1.開く 2.次のターンの戦闘前メインフェイズを迎える 3.サイコロで特定の目を出す というステップを踏んでようやくアドバンテージが取れるが、ステッカーは何を貼ってもだいたい盤面を強化できるのがよい。
今回自分が使用したカードの中で最もアンシリーズらしいのは《テレフォン/Phone a Friend》だと思う。全マッチの中で一度だけ唱えることができて、電話をかけた相手が「C」を選んでエクストラターンを得た時は盛り上がった。(ただし、他の選択肢の方がアドバンテージが取れる状況ではあった)
個人的に一番好きなUnfinityのカードは《副陽の接近変化/Form of the Approach of the Second Sun》。過去の○○変化に負けず劣らずフレーバーに富んでいる。今回ピックした人が一人いて、自分は使われなかったが隣のマッチで悲鳴が上がっていた。
活躍したカード
《天使のハロルド/Angelic Harold》
自分の非土地パーマネントに名前・ステッカーを貼るEtB効果と、3単語以上の名前を持つクリーチャーに+1/+1修正を与える常在型能力を持つ。
このクリーチャー自身に名前・ステッカーを貼ってもよく、貼ると3単語になるので3マナ3/3飛行になる。自己完結したうえでさらに他のクリーチャーを強化するポテンシャルを持つ良カード。
《動く物体/Animate Object》
長ったらしいテキストが書いてあるが、簡単に言うと5マナで8/4飛行トークンや9/6トランプルトークンを生成することができる。
7チケットという数字がシンプルに壊れていて、10/10のパワー・タフネスステッカー(6チケット)を貼ってもまだ1チケット余る。
ステッカーシートの引き次第ではあるが、たいていの場合化け物のようなスタッツのトークンを作れるためマストピック。
デビル・K・ネビル/Devil K. Nevil
一見するとよくわからないテキストだが、戦場に出た時にこのカードを弾いて(動画)並べたクリーチャーを跳び越すことができればそのクリーチャーの数だけ+1/+1カウンターが載る。
少し練習をすれば50cmくらい飛ばすことができるようになるので、安定して(相手を含めた)盤面のクリーチャーの数だけサイズアップすることが可能。赤ならロボットトークンを横ならべしやすいので8/7なんてスタッツも夢じゃない。速攻を持つので速やかにゲームを終わらせることができる。
3単語なので《天使のハロルド/Angelic Harold》の+1/+1修正の対象だったりする。
___ゴブリン/___ Goblin
戦場に出た時にこのクリーチャーに名前・ステッカーを貼り、その名前・ステッカーに含まれる母音の種類数だけ(赤)を生む。
ほとんどの場合3マナ生成が保証されていて、ステッカーシートの引き次第では4マナ、5マナ、6マナ生成も十分あり得る。
自分はステッカーシートの引きが悪く3マナしか生成できなかったがそれでも活躍してくれた。
より詳細な情報はロダーシャさんが書いてくれている。
非人間大砲/Non-Human Cannonball
死んだときにサイコロを振り、出目が1から4だったら自分のライフに出目分のダメージを与える。
3マナ4/3という非常に良いスタッツに対してデメリットが小さい。赤の高スタッツにありがちなブロック制限すらない。3ターン目にこれを出して殴り始めるだけで大幅にライフレースの有利を取ることができる。
Unfinityドラフトはみんなテキスト欄を読むのに必死でスタッツをあまり見ていないことが多いので、こういうカードが安く回ってくる可能性がある。
おわりに
もしあなたがUnfinityドラフトに参加する予定があるなら、帽子を買いに行くより消火器を大量に持ち込む方法を考えた方がいい。